更年期、体重増加が止まらない!太りやすい原因&対処法

40代〜50代を過ぎたころから、昔のように簡単に体重を落とせなくなったと感じることはありませんか?もしかしたら、それは男性更年期障害によるホルモンバランスの変化が原因かもしれません。

男性更年期障害は、テストステロンという男性ホルモンの減少によって引き起こされ、体重増加だけでなく、気分の落ち込みや疲労感など、さまざまな症状が現れる病気です。

本記事では、男性更年期による体重増加のメカニズムと、今日から始められる具体的な対策について解説します。原因と対処法を正しく理解し、スマートな毎日を取り戻しましょう。

目次

更年期で体重増加が止まらないのはなぜ?

なぜ更年期で体重が増えやすくなるのか、主な原因を見ていきましょう。

更年期の体重増加の原因①:テストステロンの減少(悪循環)

男性更年期の主な原因は、テストステロン(男性ホルモン)の低下です。テストステロンは筋肉量の維持や脂肪代謝に重要な役割を果たしているため、分泌量が低下すると筋肉量の減少と脂肪蓄積の増加を引き起こします。

筋肉量の減少もテストステロン低下を招くため、「テストステロン低下→体重増加 →さらなるテストステロン低下」という悪循環に陥ります。この悪循環が体重増加を止めにくくする要因となっているのです。

更年期の体重増加の原因②:代謝の変化

テストステロンの減少は、体の代謝にも大きな影響を与えます。筋肉量が減少することで基礎代謝が低下し、同じ量の食事を摂っても以前より太りやすくなるでしょう。

また、脂肪の代謝機能も低下するため、特に内臓脂肪が蓄積しやすくなります。これらの代謝の変化により、カロリー消費が減少し体重増加のさらなる加速につながるのです。

更年期の体重増加の原因③:生活習慣の乱れ

男性更年期障害になると、ホルモンバランスの乱れによってさまざまな身体的・精神的症状が現れます。

症状の一つである疲労感やモチベーションの低下により、運動不足に陥りやすくなります。

また、ストレス増加や睡眠障害により、過食やアルコール摂取を引き起こすこともあるでしょう。

生活習慣の乱れによる不規則な過ごし方は、体重増加の原因となります。

更年期の体重増加の原因④:メタボリックシンドロームとの関連

テストステロンが減少すると、メタボリックシンドロームのリスクが高まります。

内臓脂肪が蓄積されることで、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスクが増加します。

これらの健康問題は互いに影響し合い、さらなる体重増加や健康リスクの上昇を引き起こす可能性があるのです。

更年期で痩せる人と太る人の違いは?

更年期で痩せる人と太る人の特徴を下記にまとめました。

痩せる人太る人
運動習慣普段から習慣的に運動をしており筋肉量も高め。基礎代謝の低下を最小限に抑えている以前から運動不足で、筋力低下を招いているため、カロリー消費量も減少している
食事管理食べる順番や栄養バランスを意識している若い頃と同じ食事量や脂質摂取を続けている
自律神経の乱れによる症状胃腸の不調や食欲不振が起こり、結果的に痩せてしまうストレスによる自律神経の乱れが食欲増進につながる
ストレス管理ストレス管理が比較的うまくいっているストレスの強い環境に身を置いていることが多い

男性更年期で痩せる人と太る人の違いは、主に日々の生活習慣、ストレス管理の方法にあります。また、痩せる人の生活習慣を送っていた場合は、ホルモンバランスの乱れが比較的軽くなる可能性も考えられます。

また、ストレスの強い環境に身を置いていると男性ホルモンの低下を促進するため、思い切って環境を変えることも大切です。

男性更年期太りはどうやって痩せる?対処法4つ

ここでは、男性更年期太りを解消するための4つの効果的な対処法を紹介します。

男性更年期太りの対処法①:適度な運動

運動は男性更年期太りを解消する上で最も効果的な方法の一つです。

まずは週に3回以上、1回30分程度の有酸素運動を行うことで、テストステロン値の上昇が期待できます。始めはウォーキングやジョギングから始め、徐々に強度を上げていくのがよいでしょう。また、筋力トレーニングも取り入れることで、筋肉量の維持や基礎代謝の向上につながります。

運動は体重管理だけでなく、ストレス解消や睡眠の質の改善にも効果があるため、積極的に取り入れたい習慣です。

男性更年期太りの対処法②:バランスの良い食事

更年期太りを解消するためには食事管理が重要です。ただし、極端な制限はストレスとなり逆効果になる可能性があるため、バランスの取れた食事を心がけましょう。

特定の栄養素だけでなく、ビタミン、タンパク質、炭水化物、健康的な脂肪などをバランスよく摂取することが大切です。また、食物繊維を多く含む食品を増やすことで、内臓脂肪の蓄積を抑制する効果が期待できます。

男性更年期太りの対処法③:睡眠の確保

質の良い睡眠は、ホルモンバランスの調整や体重管理に重要な役割を果たします。睡眠時間を7~8時間ほど確保することで、テストステロンの分泌が促進され、代謝機能の向上も期待できるでしょう。

また、睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、体重増加を促進する可能性があります。就寝前のブルーライトの制限、規則正しい就寝、寝室環境の整備など、睡眠の質を高める工夫を取り入れましょう。

更年期の体重増加はいつまで続く?

男性更年期による体重増加は、長期的に続く可能性があります。

しかし、適切な対策や治療を受けることで体重増加を軽減させたり、ストップできたりする可能性があります。

日常生活での対策を試しても体重増加が止まらない方は、専門のクリニックに相談するとよいでしょう。

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まとめ

  • 更年期で体重増加が止まらない主な原因は、テストステロン(男性ホルモン)の低下。「テストステロン低下 → 体重増加 → さらなるテストステロン低下」という悪循環に陥ることで。体重増加を止めにくくしている。
  • 男性更年期で痩せる人と太る人の違いは、主に日々の生活習慣、ストレス管理の方法にある。痩せる人の生活習慣を送っていた場合は、ホルモンバランスの乱れが比較的軽くなる可能性も考えられる。
  • 男性更年期による体重増加は、適切な対策をしないかぎり、長期的に続く可能性がある。日常生活での対策を試しても体重増加が止まらない方は、専門のクリニックに相談することが大切。

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東京ハブクリニック 院長紹介

鴨下

鴨下 一郎 1949年東京生まれ。心療内科医・医学博士。旭日大綬章受章。 1979年日本大学大学院医学研究科博士課程修了後、呼吸器疾患の診療に従事する中で身体的な症状の背景に潜む心の不調や精神的ストレスに着目し、心療内科の道へ。 32歳でクリニックを開業。心療内科医として、心の病気の診療にあたる。 「現代の心の病を治すには、まず社会病理を直す必要がある」と政治の世界を志し、1993年衆議院議員初当選。以後連続9回当選し、環境大臣、厚生労働副大臣、内閣官房参与(健康・医療戦略)等を歴任。「心療内科」の認可や公認心理師制度の推進などにも携わる。 2024年、「東京ハブクリニック」を開業。男性更年期障害の診察に力を入れている。 メディア出演、著書多数。

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