男性更年期障害の治療方法を医師が解説

「男性更年期障害はそもそも治療できる?」
「男性更年期障害はどんな治療がある?」

男性更年期障害はあまり認知されていませんが、男性の更年期障害は、適切な治療を受けることで症状を和らげる効果が期待できます。

反対に、治療を受けないでいると症状が悪化し深刻な病気を引き起こすリスクがあるため、放置するのはおすすめできません。

本記事では男性更年期障害の治療方法について詳しく解説していきます。更年期障害の治療方法で悩んでいる男性はぜひ参考にしてくださいね。

男性更年期障害の治療とは?

男性更年期障害の治療法は患者さまの症状の重さや原因に応じて異なりますが、主に下記4つの治療が行われます。

  1. ホルモン補充療法(HRT)
  2. 生活習慣の改善 
  3. 心理療法
  4. 漢方薬の処方

それぞれの治療について詳しく解説します。

1.ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法とは、更年期障害の原因であるテストステロンの不足を補う治療です。

主に1UPフォーミュラ (5%テストステロン・ゲル) などの外用薬が処方され、皮膚に塗布することで体内のテストステロン濃度を正常な状態に戻します。

1UPフォーミュラは、特にテストステロン値が低下している場合に効果的な外用薬であり、毎日使用することが重要です。

ホルモン補充療法中は定期的な血液検査によってテストステロン値をモニタリングし、 副作用のチェックも欠かさず行います。

2.生活習慣の改善 

男性更年期障害の改善には、生活習慣の見直しが欠かせません。特に意識したいポイントは下記の通りです。

  • バランスの取れた食事:タンパク質、ビタミン、亜鉛などを豊富に摂取
  • 定期的な運動:有酸素運動や筋肉量の維持のためのトレーニング
  • 適切な睡眠:十分な睡眠時間の確保、毎日同じ時間に寝起きする
  • ストレス管理:リラックスできる方法を見つける

まずは取り入れやすい習慣からチェックし、徐々に改善していきましょう。

3.心理療法

ストレスや不安の症状が強い場合は、 カウンセリングや精神療法などの心理的なサポートも欠かせません。

カウンセリングを通じて、ご自身の心の状態をより深く理解し、心のバランスを取り戻していきます。

4.漢方薬の処方

男性更年期障害の治療に用いられる漢方薬は、症状に基づいて全体的な体質の改善を目指しており、主に下記などが用いられています。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 
  • 桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう) 
  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん) 

漢方薬は、主に更年期障害に関連する疲労感や冷え、不安感に対して効果が期待できます。

男性更年期障害の治療を受けないでいるとどうなる?

男性更年期障害を「年齢のせい」と軽く考えてしまい、適切な治療を受けないでいると、下記のように深刻な状態を引き起こす可能性もあります。

  1. 骨密度の低下と骨粗しょう症のリスク 
  2. 心血管疾患のリスク増加 
  3. メタボリックシンドロームや糖尿病 
  4. 精神的な問題の深刻化 
  5. 性機能障害の進行
  6. 生活の質(QOL)の大幅な低下 

ここでは治療を受けなかった場合のリスクについて詳しく解説していきます。

1. 骨密度の低下と骨粗しょう症のリスク 

テストステロンは骨の健康に重要な役割を果たすため、その分泌量が長期間にわたり減少すると、骨密度の低下が進行し、骨粗しょう症や骨折のリスクが増加します。

特に高齢男性は、骨折すると長期間の治療が必要になり、生活の質(QOL)を低下させることにつながることも。

2. 心血管疾患のリスク増加 

テストステロンの減少は、血圧の上昇や動脈硬化を引き起こし、心血管疾患(心臓病や脳卒中など)のリスクを高める可能性があります。

これらの疾患が原因となり、命に関わるような合併症が発生する可能性もあるのです。

3.メタボリックシンドロームや糖尿病 

男性更年期障害の身体症状の一つに体重の増加や内臓脂肪の蓄積が挙げられますが、これがメタボリックシンドロームのリスクを高めることにつながります。

また、インスリン抵抗性の増加により高血糖の状態が続くことで、2型糖尿病の発症や悪化に繋がる可能性も考えられます。

4. 精神的な問題の深刻化 

テストステロンの減少は、うつ病の症状や不安感を引き起こし、さらに集中力や意欲の低下をもたらすことがあります。

この状態を放置すると、うつ病や不安障害が悪化し、日常生活や職場でのパフォーマンスに重大な影響を及ぼすこともあるでしょう。

最悪の場合、自殺のリスクが高まることも指摘されているのです。

5. 性機能障害の進行 

男性の更年期障害が進行すると、勃起不全(ED)や性欲の減退がさらに深刻化するため、パートナーとの関係に悪影響を及ぼし、ストレスにつながる可能性があります。

性機能の障害は、男性としての自己評価やプライドにも関連しているため、精神的な負担が増大することが懸念されます。 

6. 生活の質(QOL)の大幅な低下 

身体的や精神的な症状が慢性化すると、 全体的な生活の質(QOL)の低下が著しく進行します。 

社会的な参加が難しくなってしまい、引きこもりや社会的孤立につながる可能性も考えら得るでしょう。

男性更年期障害の乗り越え方を相談したい男性は東京ハブクリニックへ

東京ハブクリニックは男性更年期障害の治療を専門としたクリニックです。

医学博士・院長の鴨下一郎が患者さま一人ひとりとじっくり向き合い、更年期障害の症状の重さや原因に合わせて適切な治療を提供いたします。

男性更年期障害以外の疾患が考えられる場合には、適切かつトップレベルの医療機関をご紹介いたします。

適切な治療で男性更年期を乗り越えていきたい方は、ぜひ一度東京ハブクリニックにいらしてくださいね。

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まとめ

  • 男性更年期障害の治療にはホルモン補充療法(HRT)、生活習慣の改善、心理療法、漢方薬の処方などが挙げられる。ホルモン補充療法では、主に1UPフォーミュラなどの外用薬が処方される。
  • 男性更年期障害を乗り越えるには、自分の症状の重さや原因に合った適切な治療が欠かせない。
  • 男性更年期障害の適切な治療を受けないでいると、心血管疾患のリスク増加や精神的な問題の悪化など、深刻な状態を引き起こす可能性があるため、注意が必要。

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東京ハブクリニック 院長紹介

鴨下

鴨下 一郎 1949年東京生まれ。心療内科医・医学博士。旭日大綬章受章。 1979年日本大学大学院医学研究科博士課程修了後、呼吸器疾患の診療に従事する中で身体的な症状の背景に潜む心の不調や精神的ストレスに着目し、心療内科の道へ。 32歳でクリニックを開業。心療内科医として、心の病気の診療にあたる。 「現代の心の病を治すには、まず社会病理を直す必要がある」と政治の世界を志し、1993年衆議院議員初当選。以後連続9回当選し、環境大臣、厚生労働副大臣、内閣官房参与(健康・医療戦略)等を歴任。「心療内科」の認可や公認心理師制度の推進などにも携わる。 2024年、「東京ハブクリニック」を開業。男性更年期障害の診察に力を入れている。 メディア出演、著書多数。

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