男性更年期障害に漢方薬は効果的?治療法と注意点を解説

男性更年期障害の症状緩和に、漢方薬という選択肢があるのをご存知でしょうか。

漢方薬は、男性更年期障害に伴う疲労感や冷え、不安感などのつらい症状に効果が期待できるといわれています。

本記事では、男性更年期障害の治療に用いられることの多い漢方薬や取り入れる際の注意点などを分かりやすく解説していきます。

男性更年期障害の症状に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

目次

男性更年期障害に効果的とされる漢方薬6つ

漢方薬は、軽度〜中度の男性更年期障害の方に使用されることが多く、症状に合わせて体全体の健康を向上させるために処方されます。

ここでは男性更年期障害の治療によく使われる漢方薬を6つ解説していきます。

漢方薬①:八味地黄丸(はちみじおうがん)

八味地黄丸は加齢による下記のような症状の改善が期待できます。

  • 体力低下や疲労感
  • 性機能の衰え
  • 冷え
  • 腰痛
  • 頻尿

特に冷え性を伴う更年期症状がある方や、勃起不全や排尿障害などの身体症状で悩んでいる方に適している漢方薬です。

漢方薬②:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は下記のような効果が期待できます。

  • 食欲不振改善
  • 気力や体力を補う
  • 持続的疲労感や倦怠感を改善
  • 免疫力をアップさせる

特に慢性的な疲労や無気力症状に効果的なので、「最近疲れやすい」「食欲がない」「やる気が出ない」と感じている方に処方されることがある漢方薬です。

漢方薬③:牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

牛車腎気丸は八味地黄丸に車前子(しゃぜんし)と牛膝(ごしつ)という生薬を加えた漢方薬で、名前のとおり「腎機能」の改善に役立つ漢方薬。主に下記のような効果が期待できます。

  • むくみやしびれの改善
  • 冷え性改善
  • 排尿障害の改善

「しびれやむくみ、排尿障害で悩んでいるけど八味地黄丸では効果を実感できなかった」という方に用いられることがあります。

漢方薬④:桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蛎湯は下記のような効果が期待できます。

  • 精神的な不安やイライラを和らげる
  • 不眠の改善
  • 緊張やストレスによる不調を改善

イライラや不安感などの精神症状や、睡眠障害が見られる方に適切な漢方薬です。

漢方薬⑤:十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

十全大補湯は元気を取り戻すために使われる漢方薬で、下記のような効果が期待できます。

  • 倦怠感や疲労感の改善
  • 体力回復の促進
  • 免疫力の低下を改善

慢性疲労や冷え性で悩んでいる方や、やる気が沸かない方に適切な漢方薬です。

漢方薬⑥:加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は下記のような効果が期待できます。

  • ホットフラッシュ(のぼせやほてり)緩和
  • 情緒不安定の改善
  • 不眠の改善

のぼせと冷えを交互に感じる方やストレスで症状が変動する方に適している漢方薬です。

市販でもいい?男性更年期障害の方が漢方薬を飲む際の注意点

男性更年期障害の方が漢方薬を取り入れる際の注意点について解説していきます。

注意点①:市販ではなくできるだけ医師に処方してもらう

「八味地黄丸」「補中益気湯」などの漢方薬は市販でも入手できますが、体質に合わない漢方薬を服用すると、症状悪化のリスクがあるため注意が必要です。

例えば「八味地黄丸」をのぼせ体質の方が服用すると、頭痛やほてりが悪化する可能性があります。

また、漢方薬にも多少の副作用が存在します。中には息苦しさや息切れが突然見られる間質性肺炎を発症する可能性も。

そのため、漢方薬を取り入れる際はできるだけ医師に処方してもらうことが大切です。

注意点②:効果が見られるまで時間がかかる

男性更年期障害の改善に処方される漢方薬は、体質全体を改善することを目的としているため効果が見られるまで時間がかかります。

通常、1ヶ月程度で効果をチェックしながら、さまざまな漢方薬を試していきます。

効果が見られないからといってすぐにやめてしまうのではなく、最初のうちは根気強く続けていくことが大切です。

漢方薬以外の男性更年期障害の治療法は?

漢方薬以外にも、男性更年期障害の改善には下記などの治療法が用いられます。

  • ホルモン補充療法(HRT)
  • 心理療法
  • 生活習慣の改善

ホルモン補充療法はテストステロン値の低下が見られる方に効果的で、主に外用薬が処方されます。

イライラや不安症のような精神症状が強い方は、カウンセリングなどの心理療法を行うことも。

また、男性更年期障害を改善するためには、規則正しい生活習慣が不可欠ですので、食事や運動の見直しを行うことも大切です。

男性更年期障害に特化した東京ハブクリニックでは、患者様一人ひとりの症状や状況に合わせて、これらの治療を提供しています。

男性更年期障害に悩んでいる方は、東京ハブクリニックでご相談を受け付けています。

>>東京ハブクリニックへの相談はこちら

まとめ

  • 漢方薬は、軽度〜中度の男性更年期障害の方に使用されることが多く、症状に合わせて体全体の健康を向上させるために処方される。
  • よく使われる漢方薬には「八味地黄丸」「補中益気湯」「牛車腎気丸」などが挙げられる。1ヶ月程度で効果をチェックしながら、さまざまな漢方薬を試していく。
  • 一部の漢方薬は市販でも入手できるが、体質に合わない漢方薬を服用すると症状悪化のリスクがあるため、できるだけ医師に処方してもらうことが大切。

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東京ハブクリニック 院長紹介

鴨下

鴨下 一郎 1949年東京生まれ。心療内科医・医学博士。旭日大綬章受章。 1979年日本大学大学院医学研究科博士課程修了後、呼吸器疾患の診療に従事する中で身体的な症状の背景に潜む心の不調や精神的ストレスに着目し、心療内科の道へ。 32歳でクリニックを開業。心療内科医として、心の病気の診療にあたる。 「現代の心の病を治すには、まず社会病理を直す必要がある」と政治の世界を志し、1993年衆議院議員初当選。以後連続9回当選し、環境大臣、厚生労働副大臣、内閣官房参与(健康・医療戦略)等を歴任。「心療内科」の認可や公認心理師制度の推進などにも携わる。 2024年、「東京ハブクリニック」を開業。男性更年期障害の診察に力を入れている。 メディア出演、著書多数。

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